展覧会タイトル : Still, Life まだ、生きてます。
展示期間(仮) 11月13日(土)ー12月5日(日)
場所  京都市立芸術大学@KCUAギャラリー https://gallery.kcua.ac.jp/ 申請展
作家  栗田咲子
リース直美  https://naomireis.com/   (https://www.instagram.com/naomikawanishireis/)
菱木明香 http://greenasas.com/ (https://www.instagram.com/greenasas/ )

Zoomを使ってオンラインで一日を過ごすコロナ時代。そんな新しい日常で私たちが目にする風景は限られたものだ。一つのトマト、ベランダで寝転がる猫、街角で見かけた青々と伸びる雑草。五感に訴えかける刺激が限られている中、そんな日常的なものが以前より生き生きと感じられる。

「Still life」とは静物画という意味の英語だが、フランス語では「Nature morte」、イタリア語では「natura morta」。直訳になるが、「静かな物」と捉える日本語、「動かない生命」という英語、そして「死んだ自然」とみるヨーロッパの言語。西洋では動く物を生きていると捉えた古代からの考えが、また日本では八百万の神々として自然物や自然現象を神格化し万事に命が宿るとしたことが反映されたのかもしれません。現代の私たちはなにを思って「生」を見ているのでしょうか。
そのようななんでもない場面を再現しそこに秘められた「マジック」を引き出し、日常生活と私たちそれぞれがその奥に見る幻想との境界線を取り壊すような展示を実現してみたい。
そこで考えたのが、展示場を一つの家と庭に見立てて、京都で育った3人の作品を並べてみよう、と。(3人のうち二人は京都芸大に育てられた卒業生である。)

現世と来世を同時に感じるような世界を繰り広げる栗田の作品。日常にありふれた場面が重なり合うように構築され、作られた世界でありながら、違和感を全く感じさせない。それはどこか懐かしく、同時にまるで白日夢を見ているような空間を作り上げる。
多くの人が見逃してしまいそうな日常を、色鉛筆やコラージュ色面の柔らかな色や形の重なりの中に再現するリースの作品。ぎくりとする不思議さをもち、心地良さの中に迷い込む様に誘われるが、一方で今の我々のあり様に疑問を投げかけているようでもある。
そして、周りのものを一切取り除くことにで、普段目に留まらないものに注意を向ける菱木の作品。野菜の切れ端から伸びたた芽や、目立たない絶滅危惧種の雑草たちのように、暮らしに寄り添う静かな自然に焦点をあてる。

また、京都市民に親しまれるアクアギャラリー。ミュージアムやギャラリーのように、建物の外と中との境界線が明瞭な施設より気軽に寄れるこの空間こそ、「日常・Still life」をテーマとする展示には理想的な場所ではないだろうか。ふと一歩踏み入れると、がらりと雰囲気が入れ替わり、確固たる展示空間が広がっている。鑑賞者の気持ちを自然と引き締める力がある施設だと感じる。。加えて、アクアギャラリーのキュレーターのレンズを通せば、作家の視点とは異なる新たな切り口も生まれるかもしれない。

それぞれの日常を胸に作品を見る人々の目に何が映るでしょう。Still life(静物画)にコンマを入れるだけで「まだ、そこに命がある」「まだ、生きてます」と大きく意味が変わるのと同じように、視点を変えてみたり、作品の上に重なるそれぞれの何かを通してそこに秘められた「マジック」が見えてくるはず、そんな展示を目指したいと考えています。

 



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